携帯基地局収入
僕の日ごろの行いが良いのか悪いのか、これはまったくの運でした。
これは物件近隣の電波状況が悪かったこと、携帯会社が設置場所を探していたが周辺のマンション全てに断られ、最後の最後にかろうじて 携帯基地局の設置が可能でありそうな僕のとろこに白羽の矢!?があたったのです。
その当時、その物件で起きた雨漏り工事が終了して間もなく、さらにそれは僕にとっては大変大きな出費でした。
また、先方の設計図を見てみると、それは物件の高さと同じくらいの高さの基地局で、不恰好で不安定感満載でした。
重さも数トンあり、屋上に設置することでまた雨漏りが起きるのではないか、雨漏りが起きなくても物件に大きなダメージがあると思って いたのであまり真剣に話は聞きませんでした。
しかも当初は設置料として月5万円のオファーだったと記憶しています。
その物件の一部屋あたりの家賃は8~9万円程度です。基地局設置による電磁波の影響で入居者が出て行くという話もよく大家さん仲間からも話は聞いていました。
月5万円を得るために入居者が1世帯でも退去してしまい、さらには今後入居の際の痛手ともなりそうでしたので、採算が合わないことも告げていました。
物件にダメージがあり、入居者もつかなくなっては意味がありません。
それから半年以上経って、また携帯基地局設置業者から連絡がありました。
『小さい基地局が開発されましたので、もう一度話を聞いてもらいたい』
とても執拗でしたので、仕方なく後日会うことにしました。
設計図上は最初に提示されたものに比べたら大幅に小さくなっており、あまり違和感は感じませんでした。また、重量もかなり軽くなっていたので設置云々抜きで感心してしまったほどです。
しかし、物件にダメージがあること、電磁波の影響の懸念で退去者が出たり、今後も家賃下げなどの可能性はあることは変わりないので、それを埋めるだけの対価がないと採算が取れないと告げました。
1部屋の家賃が8~9万円程度ですし、今後の家賃の障壁にもなり得るので10万円は超えないと話になりません、と断り文句のため当初の倍に当たる10万円という金額を提示しました。
『10万円なら設置してもらえるのですか?』
意外にも『それならできます!』と言わんばかりの返答が返ってきました。
あまりにもその気満々の担当者の表情でしたので、2~3日考える時間をもらい再検討することにしました。
僕はリスクを最小限に抑えるべく、先方の契約書を隅々まで読み、台風や地震などいかなる理由があろうとも携帯会社が責任を持つような文言に変更し、最後に契約書は通常の賃貸借契約ではなく定期借家契約を希望しました。
契約書上の文言でかなりやり取りがありましたが、最終的には僕の要求がほぼ通りました。しかし、最後に要求した定期借家契約書だけはどういう訳か×との返事でした。
僕はリスクヘッジができないのでこの話はなかったことにしたいと伝えましたが、担当者が通常の賃貸借契約にする代わりに賃料アップでなんとかできないかと食い下がってきました。
結局また交渉が続き、最終的には月14万円の賃料ということで話がつきました。
この額が高いか低いかは今でもよく分かっていません。
今後、基地局設置による物件への影響が出る可能性もありますが、設置後すぐに退去者が出なかったことには安心しています。
この話は先方の最初の申出から基地局設置まで1年以上かかりましたが、最初の5万円という提示額は一体何だったのでしょうか。